ここでは、紫外線の効果や、プラズマ発光などについて解説します。
下記タイトルよりご覧ください。
1.光の波長とその活用
2.紫外線の波長による効果
3.紫外線蛍光体について
4.交流(AC)型放電とプラズマ発光
5.プラズマによる紫外線発光の仕組み
6.気体放電とプラズマ発光
7.従来の紫外線(DUV)光源技術
8.既存技術と当社技術の比較
1.光の波長とその活用
光は下図のように、波長によって分類され、それぞれの波長域ごとの特徴を生かした活用が行われています。紫外線は従来から様々な産業用途、医療・安全衛生分野で活用されていますが、最近ではより波長が短い深紫外線の研究が進み、活用が期待されています。
◆深紫外光(DUV:Deep Ultra Violet)は、紫外線の中で200~320nmの波長域の光。 DNA・RNAの吸収作用により、インフルエンザウイルスやノロウイルスあるいはカンジタ等の真菌類の殺菌や無害化に有効で、遺伝子の耐性化を伴わないクリーン殺菌として水や動植物の殺菌、空気殺菌や器具殺菌に有効。また、触媒との組合せによる消臭や難分解物質の分解・無害化、皮膚治療などの医療機器に応用され、広い分野で活用が期待されている。
◆深紫外光源の市場は世界でおよそ1000億円と言われ、現在、水銀ランプが9割以上のシェアを占める。
2.紫外線の波長による効果
紫外線は、波長の長い方からUVA、UVB、UVCと呼ばれ、下図のように、ぞれぞれの波長に応じた特長と効果があります。波長290nm以下の紫外線は地球上空のオゾン層に吸収され地上には届きません。
さらに波長が短い200nm以下の紫外線は空気を透過せず真空紫外(VUV)と呼ばれます。またUVA領域では水銀ランプの発光から、i 線(365nm), h線(405nm), g線(436nm) と表現される場合もあります。
3.紫外線蛍光体について
プラズマから発生する真空紫外線を励起光源として用いると、147nm以上の波長であれば蛍光体により様々な波長の光に変換することが出来ます。特に短波長領域の紫外線を発生させる場合、高い変換効率で目的とする紫外線を得ることができます。様々な発光波長の紫外線蛍光体が開発されています。
下表に紫外線発光する蛍光体の一例を示します。代表的な蛍光体は、金属酸化物(セラミック)の母体に、発光中心と呼ばれる元素を注入した組成であり、安定した材料を基にして安定な発光波長が得られます。
4.交流型(AC)放電とプラズマ発光
- 壁電荷を利用した放電 -
前図は、放電ガス内(放電空間内)に電極があり、電極間で直接に放電する構造でしたが、電極と放電空間をガラスなどの誘電体で絶縁する交流(AC)型の放電(下図)が、特長あるプラズマ発光をもたらします。
5.プラズマによる紫外線発光の仕組み
気体をプラズマに変化させる方法として、放電が用いられます。下図(左)のように、電極から気体に強い電界をかけると、原子を構成する電子が電界に引き寄せられて原子から離れ(電離)、気体中を動けるようになり、放電が始まります。また、電極から電子が放出されやすくすることで、電極から出た電子が電界で加速され気体原子に衝突することで原子の電離が促進され、放電しやすくなります。
電界をかけて電離させやすい気体としてネオンガスがあります。また、電界をかけた電極から電子放出しやすくする方法としては、気体圧力の減圧や電極材料の工夫などがあります。
放電させる気体としてキセノンガスを用いると、プラズマ発光として真空紫外線(波長147nm, 172nm)を発生します。波長が短い真空紫外線は、蛍光体を用いることで、より長い波長の光に変換できます。
6.気体放電とプラズマ発光
物質は、そのエネルギー状態に応じて、固体から液体、気体へと姿を変えますが、プラズマは、気体からさらに高エネルギー状態となった第4の状態です。プラズマは様々な産業用途で応用されていますが、その中でも放電によるプラズマ発光は、様々な種類の光を作り出せる有用な技術として活用されています。
プラズマの発光事例:
ネオンガス ⇒ 可視光(オレンジ色)
水銀蒸気 ⇒ 紫外線~可視光
キセノンガス ⇒ 真空紫外線(空気を透過しない短波長の紫外線)
7.従来の紫外線(DUV)光源技術
深紫外線は、高い殺菌効果や皮膚治療効果など、様々な応用分野での活用が期待されていますが、深紫外線光源の技術はまだ開発途上であり、従来の水銀ランプやエキシマランプでは課題が多く、新たな光源技術が望まれています。青色LEDの技術を基に、より波長が短い紫外線発光するLED(UV-LED)を開発する動きが注目されていますが、短波長になるほど技術課題が多く製品化が難しくなるのが現状です。
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8.既存技術と当社技術の比較
既存水銀ランプの課題 |
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